メッセージは「全員一斉配信」!それだけで大丈夫?
LINE公式アカウントの運用でもっとも大切な機能の一つは「メッセージ送信」でしょう。
セールのお知らせ、イベント情報、クーポン配布…とりあえず「友だち全員」に送っているケースも多いのではないでしょうか?
しかし、既にLINEは全員に同じ情報を送る”時代から、”必要な人に必要な情報だけを届ける”時代へ移り変わっています。
その鍵となるのが「セグメント」です。
今回は、LINEにおけるセグメントの基礎と、メッセージ配信以外の活用方法について解説します。
セグメントとは?LINEにおける位置づけ
「セグメント」とは、ユーザーを属性や行動に基づいてグループ分けすることです。
LINE公式アカウントの場合、一例として以下のような情報を元にセグメントを作成することができます。

- 属性情報(年齢、性別、地域など)
- 行動情報(タップしたボタン、開封したメッセージ、来店記録など)
- 回答情報(アンケート回答、プロフィール登録内容)
- 購買情報(決済履歴、サブスク登録の有無)
セグメントを用いることで「誰に、どんな内容を届けるか」を細かくコントロールでき、無駄な配信やユーザー離れ(ブロック)を防ぎます。
※一部のセグメントを作成するためには機能拡張ツールが必要です。
なぜ今「セグメント」が必要なのか?
1. ブロック率を下げる

関心のない情報を送り続ければ、ユーザーはすぐに離脱(ブロック)してしまいます。セグメント配信によって「必要な情報だけが届く」環境を作ることができればブロック率はきっと減少することでしょう。
2. 配信コストを削減する

LINE公式アカウントの配信数は無料枠を超えると従量課金制。セグメントで対象を絞れば、費用対効果を最大化できます。
3. ユーザー体験が向上する

「自分に合った情報が届く」という体験は、顧客ロイヤリティを高め、購買や来店の継続につながります。
メッセージ配信だけじゃない!セグメントの活用シーン
セグメントは「配信対象を絞る」だけではありません。Posterのような機能拡張ツールを使えば、LINEにおけるユーザー体験そのものをコントロールすることができるのです。
1. リッチメニューの出し分け
ユーザーのセグメントごとに、リッチメニューの表示を切り替え可能です。

- 男性ユーザー:メンズ商品のカテゴリ表示
- 女性ユーザー:フェムケア特集
- プロフィール未登録者:プロフィール登録を促す導線を設置
「見せたい人にだけ見せる」設計ができ、ユーザーに合った情報を提供することができます。結果としてクリック率やコンバージョン率が高まり、LINEが単なるお知らせツールではなく、「顧客体験の入口」として機能するようになるのです。
2. LINEの専用ページ(LIFF)の表示内容を変える
LINEのトーク画面からボタンを押すと開く「専用ページ(LIFF)」も、セグメントを使って内容を出し分けられます。

- 男性ユーザー:男性向け商品
- 女性ユーザー:女性向け商品
ユーザーによって異なる体験をご提供することができます。
同じボタンをタップしても、人によってまったく違う内容が見える仕組みです。
これは「1つのページをただ見せる」のではなく、ユーザーごとにオーダーメイドされた体験を届けるということ。
結果として、ユーザーは「欲しい情報にすぐたどり着ける」満足感を得られ、企業にとっては購入や来店につながる確率が高まるのです。
3. アンケートやイベントへのアクセス制御
アンケートの回答やQRコードイベント(ポイント付与や来店記録)への参加を、セグメントによってコントロールすることができます。


例)
- 一定期間中に来店記録があるユーザーだけにアンケートに回答できる
- プロフィール登録者のみにポイント付与(QRコードの読込で)
「誰に、いつ、どの体験を届けるか」をより細かく設計することで、参加率や満足度を高める施策が実現します。
4. ステップ配信の条件分岐
ユーザー行動をトリガーにした自動メッセージ(ステップ配信)も、セグメントと組み合わせるとさらに効果的です。
- お住まいのエリアによってシナリオ分岐
友だち登録から〇日後、「あなたの地域で人気のサービス紹介」
- 性別によってシナリオ分岐
友だち登録から〇日後、「男性(女性)に人気の商品BEST3」
- 年齢によってシナリオ分岐
友だち登録から〇日後、「あなたと同年代の方にお勧めの活用方法」
ステップ配信にセグメントを組み合わせることで、同じ自動メッセージでも「一律配信」から「一人ひとりに合わせた案内」へと進化します。地域・性別・年齢など、変わりにくい基本属性を切り口にすることで、時期を問わず安定的に個別対応のような体験を提供できるのです。
セグメント活用の落とし穴と注意点
セグメントは強力な機能ですが、設計を誤ると逆効果になることもあります。
条件が細かすぎて運用が複雑になってしまう
⇒最初は大きな分類ではじめ、徐々に細分化していきましょう。
情報収集だけで終わってしまう
⇒例えばプロフィールは、項目数が多ければ多いほど回答率が下がる傾向があります。本当に必要な項目か(活用できるのか)をよく検討しましょう。
管理が属人化してしまう
⇒組織内でセグメント定義を共有し、誰でもわかる状態にしておくことをお勧めします。
導入時の「アカウント設計」がとても重要な理由です。
まとめ:LINEの活用は「セグメント」で広がる
これまでのLINE活用は「メッセージ配信」が中心でした。
もちろん、それだけでも十分に効果が期待できます。
ですが、さらに効果を拡大したいと考えるならば「セグメント」をキーにしたLINE全体の体験を設計してみてはいかがでしょうか?
リッチメニュー、LINE専用ページ(LIFF)、アクセス制御、ステップ配信の条件分岐など。
セグメント機能を組み合わせることで、ユーザー毎にパーソナライズされた体験を届けることができます。
セグメント活用に挑戦すれば、LINEはもっと強力なビジネスツールになるはずです。
assistのサポート:アカウント設計から運用まで
株式会社assistのサポートは、機能拡張ツール「Poster」を活用し、下記の通りトータルサポートをご提供しています。
- アカウント設計(友だち登録経路、プロフィール登録、リッチメニュー出し分けなど)
- メッセージ配信計画(ステップ配信シナリオ、配信頻度、配信時間など)
- その他イベント実施(来店記録、スタンプラリー、決済連携など)
セグメントを活かして自社のLINE公式アカウントを進化させたい、そう思われた方はお気軽にご相談ください。